熊本市視察レポート

10月31日~11月2日、「全国指定都市問題研究会」の勉強会で熊本市を訪問してきました。主に、昨年発生した熊本地震の復興事業の進捗と中心市街地の開発について視察をさせていただきましたので、感じたことなどを記しておきたいと思います。


現在、熊本市では、熊本城の南東に広がる中心市街地において、複数の開発プロジェクトが進行中です。代表的なものとしては、熊本城天守閣の復旧改修事業、桜町地区再開発と熊本城ホールの整備、JR熊本駅周辺整備、熊本市民病院の再建などがあります。どれも数十億円から数百億円の予算をかけたビッグプロジェクトですが、驚くのはこれらの計画がほぼすべて平成31年(2019年)に事業完了、竣工することです。


熊本市では「中心市街地活性化基本計画」を3期に分けて、熊本城築城400年に当たる平成19年から進めてきました。その間、平成23年には九州新幹線の全線開通、平成24年には政令指定都市への移行という大きな出来事があり、それらに合わせて熊本城本丸御殿の復元や観光・商業の複合施設である城彩苑の開業、閉店した百貨店跡地の再開発などの計画を段階的かつ、非常に戦略的に展開してきました。昨年、熊本地震によって大きな被害が出た後も、市長と議会で激しい議論があったものの、各計画を修正しながら、継続することになったということです。


※「中心市街地活性化基本計画」の詳細は熊本市のウェブサイトを御覧ください。

熊本市中心市街地活性化基本計画(熊本地区) / 熊本市ホームページ


私が特に驚いたのは「桜町・花畑地区整備事業」です。
熊本城の南東に位置する桜町・花畑地区は、かつては細川家の国許屋敷であった30,000平米の広大な地域です。現代に入って公園、バスターミナル、百貨店などが整備されていましたが、その地域を一体的に再開発することで、ホール、MICE機能、ホテル、商業施設、住居機能、一日の発着台数6000台(!)のバスターミナル、シンボルプロムナード、市民広場……等々を備えた、まさしく市の中心となるエリアを創出しようと、官民が一体となって計画が進められています。
総事業費は755億円(あべのハルカスと同規模)、LRTなど周辺の関連整備等も含めれば1000億円を超えると思われます。

特筆すべきは「熊本城ホール」の整備です。全く新規の芸術文化施設となるこの施設は、3000人規模の催しを単独で開催でき、席数は約2300席の規模で建設計画が進められています。ここには、新幹線で40分程度の博多でMICE機能が不足している現状をにらんで、本気で熊本にMICEや文化芸術イベントを誘致しようという市の強い意気込みが感じられます。本施設の整備に、熊本市は先の再開発施設の床等を298億円で購入しています。


また先述の通り、熊本市内ではこれ以外にも同規模の開発プロジェクトが複数進行中です。

 

 f:id:nomuratomoaki:20171104003354j:imagef:id:nomuratomoaki:20171104003309j:image


熊本市の人口は約74万人、一般会計は4000億円弱。熊本市政令市移行は堺市より後ですし、新幹線の駅も以前からあったわけではありません。県庁所在地であるという違いはありますが、堺市とほぼ同規模の自治体でこれだけの事業ができていることに、私は大きな衝撃を受けました。


もちろん行政の施策を事業規模で一面的に評価するつもりはありません。今回は調査できていませんが、中長期的な財政への影響も考慮しなければなりませんし、いまだ市の周辺部が復興の途上にある中で、ここまで中心市街地に集中的に財源を投下することへの批判的な意見も当然あることでしょう。また、堺市熊本市のやっているような大規模開発をやれと主張しているわけでもありません。


しかしながら私が、堺市が大きく劣っていると感じたのは、政令市という大きな自治体が将来に渡ってどのような都市を目指しどのようなアイデンティティを歴史の現在に刻むのかという長期に渡る戦略的な発想や計画、ビジョンです。


このことは市政に対する安易な批判ではありませんし、私は行政だけに責任を転嫁しようという気もありません。二元代表制のもとで大きな政策を示して来れなかった堺市議会にも同等の責任はあると思いますし、またうつろいやすい堺市民(有権者)の民意にもその要因はあると思います(「民意」が持つ「意義」を否定しているわけではありません)。


とは言え、それらは現時点においては所与の条件ですので、それらを踏まえた上で、私も議会議員として堺市に何ができるかを考えなくてはなりません。
今回の視察は以前から予定されていたものでしたが、堺市長選挙と衆議院選挙という大きな政治の節目の後に実施できたことを奇貨として、今後の研鑽につなげて参りたいと思います。

第48回衆議院選挙結果に関する雑感

既報の通り、第48回衆議院選挙は政権与党である自公の圧勝という結果となりました。自民党は単独でも絶対安定多数である261議席を大きく上回る284議席を獲得し、国政に盤石の体制を築いたと言えます。
私の所属する大阪府連においても、事前の厳しい予想を覆し、比例を含めて前職全員が当選を果たしました。国へ直接要望を行うことの多い政令指定都市の議員として、これほど心強いことはありません。国民・市民の皆様のご支援に心から感謝申し上げるとともに、ご負託に応えられるよう、各級議員一丸となってこれからも活動に邁進してまいります。


しかしながら今回の自民党の勝因は、各所で指摘されている通り、野党票の分散、希望の党の失速と維新の埋没、共産党による野党共闘戦略の失敗など、多くの「敵失」によるものであることは否めません。

選挙前に大きな注目を集めた希望の党は、野党票が割れるのを避けるため民進党との合流を図りましたが、政策の異なる者の寄せ集めでは全国で一貫した主張を訴えるのは難しく、序盤の一瞬のほころびが党の崩壊にまで至り、野合による新党の脆さを露呈しました。

その一方で、希望の党に合流せずリベラル路線を強く打ち出した立憲民主党は、反自民(反政権)の受け皿として、設立から本当にわずかな期間しかなかったにも関わらず大きく躍進しました。「反自民」で揺らがない支持層の底堅い強さを感じます。
我が党としては引き続き、じっくり腰を据えて堅実な政策を実行し、成果を積み上げていくことが重要であると思います。


大阪に限って言えば、維新の会が急激に支持を落としたことに正直、驚きました。維新の会は、最も勢いのあった前々回の衆院選では大阪で比例を含め14の議席を獲得しましたが、今回は小選挙区3議席、比例で4議席にとどまりました。近畿ブロックにおける比例票でも50万票以上減らしています。
しかし、堺市長選、衆院選という二つの大型選挙で維新と戦った個人的な感覚からいうと、退潮傾向などという空気は全く感じられませんでした。維新低迷の要因は定かではありませんが、油断することなく冷静な分析と対策が必要です。

希望の党は元々、大阪維新の組織運営の手法の多くを模倣し、一気に勢力を拡大しました。似たような党の性格を持つ希望の党に注目が集まったことで維新は埋没したという意見もあります。しかし、希望の党の当選者はほとんどが元民進の関係者という結果となり、純粋な「希望候補」はわずかに数人が比例で復活当選したに過ぎません。率直に申し上げて希望が今の組織の形を維持するのは極めて困難であり、早晩再編が行われることになるでしょう。そうすれば再び維新が存在感を発揮するかもしれません。


余談になりますが、今回、各党のジェットコースターのような目まぐるしい一盛一衰を見て感じたのは、「政治部」を持つ東京のマスメディアの政治に対する影響力の大きさの違いです。世間の支持が失われつつあると見るや、小池知事の「排除」というたった一言の失言(というには厳しいかもしれない発言)で人気の絶頂にあった党を壊滅にまで追い込みんだ一連の動きは、もっとひどい「失言・暴言」がうんざりするほど繰り返されてきた大阪と彼我の違いを感じずにはおれません。


さて、ともあれ選挙は終わりました。今後は示された結果をもとに、市民生活がより良いものとなるよう市議会議員の本分である活動に立ち返り、まずは来月に召集される、市長の新任期最初の市議会定例会に備えたいと思います。

 

すっかり秋も深まり、肌寒い日も増えて参りました。皆様におかれましてもご自愛ください。

「維新の会」の組織的非倫理。あるいは自民党と共産党が組んでいるというご批判についての反論(再々掲)

堺市長選挙も残すところ3日となりました。現在の情勢では両候補の支持が拮抗し、戦いは熾烈を極めています。
そのような中、竹山おさみ市長候補を、大阪における野党が相乗りで支援しているという批判が、相手陣営から激しく繰り出されています。

私は、大阪市の廃止を巡る「5・17住民投票」、同年(2015年)の「大阪ダブル選挙」においても同様の批判について見解を述べてきましたが、その時といささかも変わらぬ“誹謗広報(ネガティブキャンペーン)”が相も変わらずまかり通っていることに、内心忸怩たる思いを感じながら、ここに三度(みたび)、「自民党共産党が組んでいる」といういわれのないご批判について、私の見解を記しておきたいと思います。


(※切迫した局面につき、本記事には過去のエントリからの引用が複数含まれておりますことをご容赦願います)

 


堺市長選挙の正しい構図とその理由。>

前々回のブログエントリで、私は「今般の堺市長選挙は堺市の廃止・分割=大阪都構想への賛否」が最大の争点であることを示しました。“いわゆる都構想”が、政治的な意義も政策的な効果も皆無であることは、これまで多くの政治家、専門家によって何度となく繰り返し指摘されてきました。日本有数の大都市である大阪市を廃止・分割することは、大阪府はもちろん日本にとっても深刻な影響が懸念されますし、そこに堺市が巻き込まれることも絶対に阻止しなければなりません。


と同時に、今回の戦いは「都構想」という地方自治史上最大のデマゴギーを掲げ、政治と行政への信頼を失墜させ、社会秩序を乱す『維新政治』そのものと対峙することです。


維新の会は今回の選挙でも、以前に増して悪辣な手口で有権者の不安をあおり、煽動しています。
今どき悪徳通販業者でも使わないような“錯視”を用いたグラフと、誇張した虚偽の数字で、堺市が財政難であるかのような印象操作を徹底的に市民に向けて行いました。
また、極めて恣意的なアンケートから個人の意見を抽出するという悪質な手法で、個人の事実誤認があたかも世論であるかのように装ったチラシを作成し、巧妙にデマを撒き散らしました。
さらに、それらのデマを元に各所で演説を行い、あまつさえ選挙公報にまで虚偽としか言えない内容を記載し、有権者をも欺きにかかりました。
その演説の内容や広報の姿勢は、もはや公党・公人が行うものとは思えないほど狡猾で悪意に満ち溢れたものです。

f:id:nomuratomoaki:20170920211927j:plain


維新のこのような政治に臨む姿勢は、当然のことながら「思想・信条(イデオロギー)」以前の問題であり、政治に対してまともな倫理感覚を持っていれば、到底、許容できるはずがありません。
維新のやってることは、大げさではなく、民主政治に対するテロ行為です。
だからこそ、各党、各議員が互いの思想・信条を乗り越えて、「維新政治」に対して強く異を唱えているのです。


そのような状況に対して、「思想信条の異なる勢力が結託している」と批判することは、自らの欺瞞を隠蔽するための詭弁であり、悪質な論点のすり替えです。

 


<維新の会の組織的非倫理はいかにして蔓延したのか。>

維新の会は自らの背信と欺瞞によって生じる不都合を、他者に責任転嫁したり、一方的なレッテルを貼ったりすることで大衆を煽動し、有耶無耶にすることで延命を図ってきました。しかし、責任や罪をなすりつける相手もそう都合よく見つかるわけではないので、その度にデマや捏造、歪曲やミスリード、レッテル貼り、驚くべき変節、背信など、ありとあらゆる詐欺的手法を駆使して他者を貶めてきました。その対象とされたのはマスコミ、労働組合、文化芸術、学者、自民党...など枚挙に遑がありません。
他人を裏切ると恨みも買いますし、信頼関係においても不都合が生じますから、それを覆い隠すために、さらに別の他者を敵や抵抗勢力、悪者に仕立て上げて攻撃する。その繰り返しです。
維新の会は自ら、裏切りと虚言の自転車操業に陥っていると言えます。


文筆家の松本創氏がTwitterに書いています。

維新の政治手法は橋下氏以来、敵認定した相手を徹底的に攻撃し、口汚く罵倒して、見ている者の負の感情を煽るのが基調。攻撃し続けるためには、前任者や対立党派の実績は決して認められないし、事実も平気で曲げる。彼らの政治手法が、ウソやデマを量産し続けないと維持できない構造なんですよね。


事実、「橋下・維新の会」と呼ぶべき組織の歴史は、背信と裏切りの歴史です。

維新の会は、8年前の2009年、大阪府知事だった橋下徹氏が自身を支援した自民党を裏切り、自民党議員を引き抜いて結成したのが始まりです。

同年の堺市長選挙では「行政の神様」と持ち上げた前職市長に竹山修身市長を刺客として送り込み落選させました。その竹山市長の就任後には突然大阪都構想を言い出し、維新の会を結成して堺市の解体を進めます。
大阪市では水道事業など府市連携を図っていた平松市長に対し、橋下氏自らが大阪市長選に鞍替え出馬し追い落としました。

維新の会が政党として国政に進出した後は、民主党、太陽の党(次世代の党)、みんなの党、結いの党などと離合集散を繰り返し、最後は「維新の党」内で身内同士の泥沼の争いを繰り広げたのは記憶に新しいところです。

公明党に対しては衆院選に絡んで圧力をかけることで交わした都構想協力の密約をバラして煮え湯を浴びせた上に、創価学会を指して「宗教の前に人の道がある」と一方的な罵詈雑言をぶつけました。その後、再度の住民投票で歩み寄った公明党にも、「総合区はカモフラージュ」と口を滑らせ、利用しているだけであることを白状しました。

また、橋下氏が慰安婦発言で窮地に立った際は、橋下氏を慮って失言をした元・たちあがれ日本西村眞悟衆議院議員を、トカゲのしっぽ切りのごとく除名し、自らの保身を優先しました。

安倍首相官邸とはたびたび蜜月をアピールしていますが、これもたちの悪いパフォーマンスです。住民投票前に官邸に協力を要請しながら住民投票が終われば安倍内閣の不信任案に賛成したことを、我々自民党員は絶対に忘れてはなりません。

他にも、橋下氏の初めての立候補の際には2万パーセント出ない、住民投票はラストチャンス、負ければ政治家は引退、大阪市はつぶしません……その場限りの口から出まかせで、有権者をも何度も何度も欺きました。


10年近くに渡って、ここまでの背信行為を続けざまに見せられれば、維新を信用しろという方が無理です。

 


<維新の会は保守ではない>

維新の会は自民党の分派としてスタートしたことは先に述べました。
そもそも橋下徹氏も松井一郎知事も永藤英機候補も、自民党に所属していたり支援を受けたりしたことのある政治家です。
初期の維新メンバーは、自民党が野党に転落した時に泥舟から逃げ出すようにして出ていった方々がほとんどで、その裏切り行為に対する負い目のような心理に起因する近親憎悪や復讐衝動のような負の感情が、当初、組織の強い原動力としてありました。
それらは彼らにとって、自身あるいは党の歴史に刻み込まれた拭い難い汚点であるので、それを消し去るために、自民党を仇のごとく徹底的に攻撃したのです。


ところで、維新の会が「保守政党」でないことは、党の綱領(基本方針)を見れば明らかです。綱領には、首相公選制、国会の一院制、中央集権体制の打破など、国家解体のための政策が並ぶ、独裁を念頭においた「革命政党」です。
そもそも、政令市の廃止・分割という政策が保守的な思想に根差したものではありません。100年の歴史を超える自治体を解体してリセットし、新しい統治機構を作ろうなどという発想には、地域の絆や郷土意識といったものの分断を狙った、紛う方なき革命思想がバックボーンにあります。


そんな彼らが、保守層向けのアピールを盛んに行い保守を偽装しているのは、保守政党である自民党を追い落とすために、自らを保守の地位においた方が有利だからです。これはかつての党首、橋下徹が戦略的に行ってきたことですが、後から勘違い、あるいはなし崩し的に維新に参加した者の中には、橋下という人物が志向していた政治的方向性とそのために作られた維新という組織がどういう性格を持っているのかを理解できていない者がいます。
維新の会には、だから政策に展望や一貫性がなく、選挙で訴えるのは「身を切る改革」や「バラマキ」のような、思想信条とあまり関連性のない大衆迎合的な政策が中心になるのです。
支持を失ってでもこれだけは社会のためにやり遂げなくてはならない、というような政治信念に基づいた政策は維新にはありません。


このような政治を続けていれば、行き着く先は「破滅」です。


以前のエントリでは、地方政治はイデオロギーとは直接的に関係するものではないので、思想信条を超えて共同戦線を張る必要がある、というようなこと書いた(と記憶しています)。
しかし本エントリを書くうちに、少し考えが変わりました。
それは、「思想信条」を越えてでも市民のために守らなければならない最後の一線、政治において決して踏み外してはならない道義があるということです。


すでに崩壊寸前にまで追い込まれた大阪を救うためにも、今回の堺市長選挙は死守すべき砦です。


これだけの長文を最後までお読みいただいたすべての方々の『行動』に、最後の最後まで希望を託したいと思います。

『成長する堺市、停滞する大阪』その理由。

竹山おさみ堺市長は、橋下徹大阪府知事時代の府庁政策部門のトップを務めた「行政のプロ」である。
私は堺市議会議員という立場から竹山市長の仕事ぶりを間近に見る機会を得たが、365日ほぼ休みなく市政に携わり実直にコツコツと政策を積み上げる政治姿勢に、共感を覚えるととともに見習わなければならないと感じている。


「学問に王道なし」という言葉と同じく政治にも「王道」はない。小さな政策の積み重ねが、結果として社会を良くするのであり、殊に現代の日本の行政においては年度年度の予算があるから、それは漸進的な成果としてしか現れ得ない。


今般の市長選挙において、竹山市長が掲げたマニフェストにある「第2子以降の保育料無償化」や「がん検診の無償化」、「高3までのワンコイン医療費」なども、段階的に行政サービスを拡充してきたものであるし、これまでの「学力テスト政令市1位(小学校算数)」や「製造品出荷額全国6位、企業の流入政令市中2位」「出生率の大幅増」などの成果も、「無料の放課後学習」や「企業立地促進条例の制定」「数々の子育て支援、保育施策」といった地道な施策を積み上げてきたことの帰結である。


政令市移行後、堺市は一歩ずつだが、着実に『成長』している。


政治には、一夜にしてあらゆる問題が解決し、バラ色の社会が到来するような「魔法」などない。もし、そのようなことを喧伝する政治家がいたら、我々は警戒して向き合わなければならない。

この10年近くに渡り、大阪では「大阪都構想」という、自治体の枠組みを変えればすべてがうまくいくかのような煽動ともいえる主張が政治・行政を揺さぶり続けてきた。結果、地道な政策に対する堅実な営みは失われ、本来、経済、子育て支援、教育、高齢者施策、財政などの分野に投入されるはずだった多大なリソースが浪費され、大阪のまちを大きく疲弊させる結果となった。

 

先に上げた堺市の指標と比較しても、残念ながら『停滞』しているのは、明らかに大阪府・市の方である。


この間、私を含め多くの心ある政治家、議員が、何度となくこのことを指摘してきたが、大阪府政、大阪市政に聞き入れられることはなかったことは、誠に遺憾である。堺市で同じ轍を踏んではならない。


政策に対する誠実で真摯な姿勢を取り戻し、政局にまみれた不毛な政治はそろそろ幕引きにしなければ、大阪という地方都市が本当にもたないと痛切に感じる。

なぜ「大阪都構想」は堺市長選挙における最大の争点なのか

2017年9月24日に投開票を控える堺市長選挙が佳境を迎えています。
一部では「今回の選挙は争点に乏しく市民の関心が低い」との報道も見受けられますが、本選挙の持つ意義が堺市民に伝わっていないことに、私は強い危惧の念を抱きます。

堺市民の皆様におかれては、「今回の堺市長選挙における最大の争点は『大阪都構想』である」ことを、是非とも知っていただきたいと思い、本稿を記しました。


<これまでの経緯>
いわゆる「大阪都構想」とは、政令市を廃止・分割していくつかの特別区にし、その財源と権限を大阪府に吸い上げるものです。当初は、行政の効率化や歳出の削減によって4000億円の財源が生まれると言われていましたが、詳細な制度設計を詰めるうちに、ほとんど効果がないことがわかり、住民投票で否決されました。

ところが、大阪府知事大阪市長ダブル選挙で維新候補が当選したことを理由に、維新の会は再び都構想の議論を持ち出し、現在、大阪府・市では、再び大阪市を廃止するための議論が進められています。松井一郎大阪府知事は、早ければ来年(2018年)の秋にも住民投票を行うことを明言しています。

大阪都構想は、平成18年に政令市に移行した比較的新しい政令市である堺市にとっては、さらにメリットがありません。堺市大阪府との間には、二重行政も効率化しなければならない事業もほとんど存在しないからです。逆に、非常に財政状況が悪い大阪府にしてみれば、堺市が持つ財源は大変魅力的です。


堺市においては都構想の住民投票は行われない可能性がある>
皆さんは、来年の住民投票大阪市が廃止されると、隣接する堺市においては住民投票が行われることなく堺市が廃止される可能性があることをご存知でしょうか?
政令市の廃止と特別区の設置を定めた通称「大都市法」には、堺市がひとつの区として特別区になる場合は、市長の決定と議会の議決だけで可能と規定されているのです。

このことから、堺市長選挙において市長候補が都構想に対してどのような考えを持っているかは、候補者自身が「都構想を争点にするかどうか」というレベルの話ではなく、極めて重大な争点としてすでに存在していると言えます。


<なぜ維新候補は堂々と都構想を争点に掲げないのか>
維新の永藤英機候補は、府議会議員時代から熱心(熱烈と言っても良い)に都構想の実現に取り組んできた推進派の急先鋒でした。
自身が2期目の府議当選を果たした2015年の統一地方選挙では、都構想を礼賛するチラシを発行し「都構想で堺に活力を呼び込む」と明記しています。にも関わらず、わずか2年後の今回の市長選では都構想についての質問に一切答えようとしません。

都構想について聞かれると「私の任期中は議論しない」の一点張りですが、市長候補として示さなければならないのは「いつ議論するか」ではなく、堺を無くすことになる都構想について「どう考え、どういう姿勢で臨むのか」ということです。
都構想賛成派であっても、反対派であっても、多くの堺市民は永藤・堺市長候補にそこを聞きたいはずです。

堺市長選挙の候補者が、堺市の将来に大きな影響を与える都構想に対して考えを述べないのは、有権者に対する無責任かつ極めて不誠実な態度であることを強く指摘しておきます。

堺市長選挙

堺市長選挙が9月10日に告示を迎え、ただいま選挙期間の真っ只中です。

 

連日、朝の駅立ちに始まり、日中は街頭活動、ポスティング、あいさつなど
。夜は演説会。その後はやれるところまで事務作業(選挙以外の業務もありますので……)というスケジュールで、なかなかネットの更新もままなりません。

が、どうしても書かなければいけないことがいくつかあるので、それは別稿にてアップしたいと思います。

一日が本当に長く感じます。


明日からは3つの補選もスタートし、選挙はさらに激しさを増すことでしょう。

 

どうか、皆様のご支援を竹山おさみ市長候補へとお寄せくださいますようお願い申し上げます。


投票日は9月24日(日)ですが、是非とも期日前投票もご活用ください!

堺市に無駄なハコモノは本当に多いのか?

昨日今日と、堺市議会では決算を集中的に審議する決算審査特別委員会が開かれています。今定例会も最後のヤマ場を迎えました。決算の審査が終わり閉会すればすぐに市長選挙という大変慌ただしい日程です。

昨日の委員会初日をはじめ、今定例会は本会議、各委員会ともに選挙直前ということもあってか政局に絡んだ質問が多かったように思います。

私は決算委員会での質問の出番はありませんが、先日の総務財政委員会で「都市経営における歳入と歳出のバランスについて」というテーマで質問を行いました。特に、なぜか選挙の争点として無理やり批判のやり玉に挙げられている感のあるハード整備(いわゆるハコモノ)について市長に質問しました。
当日偶然、ソレイユ堺会派の渕上猛志委員からも同様の質問があり、渕上委員は物理的な面を中心に、私は財政的な面から、堺市のハード整備の現状について聞くことになりました。

二人の質問を統合した結論から申しますと、堺市ハコモノは他市と比較しても多いわけではありません。

当局の答弁から判明した客観的な数字によれば、堺市の施設の「人口一人当たりの延べ床面積」は全国20政令市の中で16位(下から5番目)。「人口一人当たりの普通建設事業費」は同11位となっており、実際の建物の量も投資しているお金も決して多いわけではありません。むしろ地域によっては学校校舎や地域の集会施設が足りていないくらいです。

またその事業の内訳は、阪神高速大和川線や小中学校の耐震化や保育所整備などが大部分で、これらは絶対に必要な「社会インフラ」です。
築50年を超えていた旧市民会館にしても建て替えは不可避でしたし、そもそも竹山市長は400億円規模だった駅前雑居ビルへの移転案を、140億円の現地建替案に縮減したのがこれまでの経緯です。

このことは2期以上の議員なら全員理解していることだと思います。

以上からわかるように「堺市は借金を重ねて無駄なハコモノを乱立させている」というような批判は、事実を歪曲した悪質なデマです。

もちろん、実際に市民さんがどう感じてるかという視点は大切ですが、議会での議論は、ある程度情報も知識も持った議員同士の議論なのですから、「直感」とか「印象」で一方的に主観を述べるだけでは正しい結論や解決策は得られないと思います。

私もしっかりとした情報発信の必要性を改めて感じた次第です。