野村ともあき【非公式】ブログ|前堺市議会議員

野村ともあきの非公式ブログです。前堺市議会議員 公式ブログは→https://note.com/nomuratomoaki/

堺市長選挙について(3)--選挙の争点その2「竹山市政1期目への評価」

本日から堺市のお隣の羽曳野市、さらにお隣の柏原市で市議会議員選挙が告示を迎えました。自民党青年局の同士も立候補されておりますので、必勝を祈念したいと思います。

さて、堺市長選挙も9月15日に告示を控え、すでに各陣営とも本番さながらに活動が過熱しています。激しい争いであっても政策的な議論が深まるのであれば大いに盛り上がりを歓迎したいのですが、現状では「裏切り者だ」「太った豚だ」と中傷合戦の様相を呈しており、このままでは堺市の将来を大きく左右する大変重要な選挙であるにも関わらず、市民の皆さんが正しい判断ができないのではないかと危惧しています。

私としても、本ブログによってできる限り政策的な議論が深まるよう努めて参りたいと思います。
今後ともどうぞよろしくお願い致します。


前回「政令市と大阪都構想」に続き、堺市長選の争点について書きたいと思います。争点のその2は「竹山市政1期目への評価」です。


先日、堺市議会において3日間の大綱質疑(代表質問)が行われ、竹山市政1期4年間の政策について各会派から様々な質問が行われました。質問を聞いていて私は、「ソフト面は評価できる」が「ハード面で成果が出ていない」というのが竹山市政に対する各会派に共通した意見だなあと感じました。もちろん各会派の温度差はありますので賛否の「表現」は様々です。


まずはソフト面の事業・施策について見てみましょう。
市長が4年間で実現した

  • 「中学生までの子ども医療費助成」
  • 「無料の放課後学習(堺マイスタディ事業)」
  • 「待機児童の減少」
  • 児童虐待の安全確認の24時間ルール実施」
  • 「新婚・子育て世帯向け家賃補助」

などの子育て支援に関するソフト施策は、“客観的な事実”として大きな成果であると言えます。どの会派であってもこれらを批判することはないでしょう。(細かい施策の内容は堺市ホームページをご覧ください)
行財政改革」「人事制度改革」などについては、独自の条例案などを出されていた維新さんとは見解の相違があるでしょうが、私は評価できるものだと思います。
また市長自身に関しても、給与の20%カット、退職金の全額廃止、交際費の廃止など、率先して身を切っているのは確かな事実です。


一方、ハード面についてはどうでしょうか。
ハードの整備には数十億から百億円以上という巨額の予算を伴いますので、その実施には事前の調査を含めて長い年月がかかります。竹山市長が前回の市長選で反対を唱えて中止した「東西鉄軌道(LRT)」は10年以上前から、維新の会さんが強く批判をされている「文化観光拠点」整備は20年以上前から長年に渡り議論されてきたものです。「市民会館」の建替もこれから着工して完成は5年以上先という事業です。逆に言うと、4年間でハード面の成果を出すのは現実的にはなかなか困難であるし、できたハコに対する評価にはさらに時間がかかるということです。評価として「一期目にハード面で成果が出ていない」というのはある意味、仕方のないことです。
ただ、竹山市長に対して少し厳しい意見を言うならば、自らが中止したLRT計画や「中心市街地活性化」について具体的な対案、ビジョンが示せていないという批判はあると思います。今後の活動で有権者にしっかりと考えを伝えていく必要性を強く感じます。


以上、竹山市政の一期目について割りと客観的に書きました。


ところで、先述の通り「文化観光拠点」については20年に渡る議論の上でようやく今定例会で議案化されたものであり、これまでの経過では維新の市長候補予定者である西林克敏前議員をはじめとする維新の会の議員さんも、自民党会派時代に議会で賛意を示して来られました。事実、西林候補予定者は平成19年の堺市議会第3回定例会において「旧堺病院跡地における文化観光拠点の整備を促進」するよう複数会派を代表する討論を自ら読み上げておられます。
これ以外にも維新さんには「政令市推進から都構想へ」「愛情弁当から学校給食へ」など政策が180度変わったものが複数ありますが、橋下代表がおっしゃるように、候補(予定)者として考えを転換した理由を明らかにすべき責任があるでしょう。


ここで、私は竹山市長の足を引っ張りたいわけでも、西林氏の翻意を糾弾したいわけでもありません。
私は、都市計画などの長期的な政策には、政治的な「一貫性」と「連続性」の担保が最も重要であると考えています。そして一貫性と連続性を重んじるのは保守政治家の責務です。


今なぜ堺市政は混乱しているのか。


次回「橋下維新政治に対する是非」で、私の思いもあわせて書きたいと思います。