なぜ「大阪都構想」は堺市長選挙における最大の争点なのか

2017年9月24日に投開票を控える堺市長選挙が佳境を迎えています。
一部では「今回の選挙は争点に乏しく市民の関心が低い」との報道も見受けられますが、本選挙の持つ意義が堺市民に伝わっていないことに、私は強い危惧の念を抱きます。

堺市民の皆様におかれては、「今回の堺市長選挙における最大の争点は『大阪都構想』である」ことを、是非とも知っていただきたいと思い、本稿を記しました。


<これまでの経緯>
いわゆる「大阪都構想」とは、政令市を廃止・分割していくつかの特別区にし、その財源と権限を大阪府に吸い上げるものです。当初は、行政の効率化や歳出の削減によって4000億円の財源が生まれると言われていましたが、詳細な制度設計を詰めるうちに、ほとんど効果がないことがわかり、住民投票で否決されました。

ところが、大阪府知事大阪市長ダブル選挙で維新候補が当選したことを理由に、維新の会は再び都構想の議論を持ち出し、現在、大阪府・市では、再び大阪市を廃止するための議論が進められています。松井一郎大阪府知事は、早ければ来年(2018年)の秋にも住民投票を行うことを明言しています。

大阪都構想は、平成18年に政令市に移行した比較的新しい政令市である堺市にとっては、さらにメリットがありません。堺市大阪府との間には、二重行政も効率化しなければならない事業もほとんど存在しないからです。逆に、非常に財政状況が悪い大阪府にしてみれば、堺市が持つ財源は大変魅力的です。


堺市においては都構想の住民投票は行われない可能性がある>
皆さんは、来年の住民投票大阪市が廃止されると、隣接する堺市においては住民投票が行われることなく堺市が廃止される可能性があることをご存知でしょうか?
政令市の廃止と特別区の設置を定めた通称「大都市法」には、堺市がひとつの区として特別区になる場合は、市長の決定と議会の議決だけで可能と規定されているのです。

このことから、堺市長選挙において市長候補が都構想に対してどのような考えを持っているかは、候補者自身が「都構想を争点にするかどうか」というレベルの話ではなく、極めて重大な争点としてすでに存在していると言えます。


<なぜ維新候補は堂々と都構想を争点に掲げないのか>
維新の永藤英機候補は、府議会議員時代から熱心(熱烈と言っても良い)に都構想の実現に取り組んできた推進派の急先鋒でした。
自身が2期目の府議当選を果たした2015年の統一地方選挙では、都構想を礼賛するチラシを発行し「都構想で堺に活力を呼び込む」と明記しています。にも関わらず、わずか2年後の今回の市長選では都構想についての質問に一切答えようとしません。

都構想について聞かれると「私の任期中は議論しない」の一点張りですが、市長候補として示さなければならないのは「いつ議論するか」ではなく、堺を無くすことになる都構想について「どう考え、どういう姿勢で臨むのか」ということです。
都構想賛成派であっても、反対派であっても、多くの堺市民は永藤・堺市長候補にそこを聞きたいはずです。

堺市長選挙の候補者が、堺市の将来に大きな影響を与える都構想に対して考えを述べないのは、有権者に対する無責任かつ極めて不誠実な態度であることを強く指摘しておきます。