堺市議会平成30年第1回定例会で代表質問を行いました

堺市議会の平成30年第1回定例会が開会中です。

今定例会は予算審査の議会であり、堺市から提案された平成30年当初予算について連日、審議が行われています。
昨日まで3日間の本会議が開かれ、各会派の代表質問および大綱質疑が行われました。

 

本会議の初日、私は自民党会派を代表して質問に立ちました。今定例会には、新しい副市長としてご就任された佐藤道彦氏が出席しておりましたので、新副市長の所掌事項である「まちづくり」――特に中心市街地の整備について質問を行いました。

佐藤副市長は、大阪市で都市計画局長などを務め、うめきた阿倍野の再開発など様々な都市計画のビッグプロジェクトを手がけて来られた方です。私も、大阪市会議員さんからその手腕についてはお聞きしておりましたので、堺市でどのようなまちづくりをしていただけるのか、大変期待を寄せているところです。

質問では商業振興、学術拠点(大学)、景観整備、東西交通のそれぞれの整備の意義について尋ねました。その上で、竹山市長に今年度予算に込めた思い、佐藤副市長にこれからの堺のまちづくりに臨む抱負をお聞きしました。

 

商業振興、学術拠点、景観、交通利便性の整備を行うということはすなわち、「知識の時代」に必要とされる都市機能を整備することであります。
現代において、土地や物質的資源と同等に重要となるのは、優秀な人材を惹きつける都市の利便性や快適性です。

質問で取り上げた商業振興と中心市街地、特に堺東駅前の整備は、人々の生活利便性を高める政策であり、また優れた景観の整備は、まさしく快適な空間を作り出す取り組みであります。
現代においてもっとも重要な資源である「人」を堺市に集めるために、魅力的な都市空間が形成されるよう、今後の堺市当局の施策展開に期待を込めました。

 

また中心市街地の東西交通についても質問致しました。
現在、堺市役所周辺では、市役所前市民広場「Mina堺」のオープンや、堺市民芸術文化ホール「フェニーチェ堺」、旧ジョルノビルの建替、瓦町公園駐輪場や立体機械式駐輪場などの自転車環境整備、南海高野線連続立体交差事業、博愛ビルのホテルへの建替などなど、個別の整備事業はどんどん進んでいます。
しかしそれらを結び、来街者の足となる「東西交通」だけが全くと言って良いほど議論が進んでおりません。

 

堺市における東西交通の整備は何十年も前から課題となっているにも関わらず、紆余曲折を繰り返し全く整備が進まない状況が長年続いています。
かつては大小路にLRTを引くことで事業認可にまで至りましたが、当時、LRT反対を掲げて選挙を戦った竹山市長が当選したことで、事業は頓挫しました。
振り返れば、LRT計画からもう10年も経っています。

 

実は、私が10年前、社会人大学院に通っていた時の研究テーマがLRTでした。
そもそもLRTは行き過ぎたモータリゼーションへの反省から1980年前後に欧米で発達した交通機関です。その後、世界で普及が進み、2006年には日本国内初となる富山ライトレールが開業し、全国から注目を集めました。当時は、公共交通における路面電車の復活=鉄道の復権が声高に言われていたことを記憶しています。
しかし近年、その背景となる社会環境が大きく変わりつつあり、LRTの優位性はどんどんと失われていっていることを私は感じています。それは、言い換えれば「自動車」の復権です。

 

今、自動車を取り巻く環境においては、自動運転、ITS(高度道路交通システム)、シェアリングシステム、ドローン技術、電気自動車や燃料電池車などの環境負荷が極めて低い車種の登場など、革新的な技術が一挙に花を開き、自動車の『概念』そのものを根底から覆すような大きな変化が起きています。

 

下記の表(画像)は、私が10年前に論文で引用した「自動車の社会的費用」に、現状を踏まえて修正を加えたものです。LRTが自動車に対し優れていることの根拠とされた「自動車の社会的費用」のうちの多くは、現在、新しい自動車技術によって改善、克服あるいは軽減されようとしています。

f:id:nomuratomoaki:20180307135550g:plain

私は、「蒸気機関および電車→モータリゼーション→鉄軌道の復権」と変化してきた時代が、再び「自動車」へと揺り戻しが起きていることを確信しています。
近い将来、おそらく20年後くらいには、「未来の自動車」によって、人々の移動と物流は現在とは全く異なる概念で捉えられることになるでしょう。

 

かつて堺市で進められていたLRTの整備事業は、メイン路線の大小路と阪堺線LRT化だけで150億円という巨額の事業費を費やす計画でした。当時(議員ではなかった)私は、LRTがまちづくりにもたらす波及効果も含め事業に賛成でした。しかし、今の時代から富山から十数年遅れ、世界からは実に40年も遅れて、150億円もの費用を投入してLRTを整備するのは、(個人的には忸怩たる思いもしますが、冷静に考えて)完全に機を逸していると言わざるを得ません。今から数百億円の事業費をかけてLRTを敷くくらいなら、その100分の1でも、先に述べた新しい交通・物流技術の導入や調査研究費に投資した方が、将来的には有用でしょう。

 

また稿を改めて書きたいと思いますが、私は次世代モビリティに関して、堺市地政学的にも産業構造的にも極めて高い適性を備えていると考えており、新たな時代の物流と情報の拠点都市となることで、近世の南蛮貿易によってもたらされた「黄金の日々」を現代の堺に復活させることを構想しています。

 

議会の報告から随分壮大な話になってしまいましたが(^^;)、遅々として進まない堺市の東西交通の議論を少しでも進展させるべく、今回の代表質問には、一つの区切りとしてこの10年間の私の考えや思いを込めさせていただきました。

 

議会はこの後、各常任委員会、予算審査分科会、予算審査特別委員会(総括質疑)、最終本会議(採決)と続きます。
引き続き、気を引き締めて審議にあたりたいと存じます。