野村ともあき【非公式】ブログ|前堺市議会議員

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【5.17】住民投票で自民党と共産党が組んでいるというご批判について

大阪市を廃止し、特別区を設置することの是非を問う住民投票」が5月17日に迫り、大阪では連日、激しい論戦が繰り広げられています。
活動も終盤に突入した先日の日曜日には、「賛成」「反対」両陣営ともに、大規模な集会や演説会を各地で開催し、それぞれに多くの参加者を集めたようです。


そんな中、難波と梅田で開催された「反対」陣営による大規模な街頭演説会に、自民党民主党共産党が揃い踏みしたことが、ネット上で物議を醸し出しています。特に、自民党共産党が協力して活動するという例のないできごとに、ネットでは大きな驚きをもってニュースが拡散されました。


実際、私のところにも自民党支持者の方から直接、「自民党共産党が手を組むなんてけしからん!」というお叱りの声が寄せられております。
いただいたご意見は、確かにどれも至極真っ当な指摘であり、真摯に受け止めたいと思いますが、合わせてあたたかい激励もちょうだいするなど、党の将来を真剣に思う自民党支援者の皆様の厚いご支持に感動もしたところです。
皆様へのご意見には今後の活動で答えて参りたいと存じますので、どうか引き続きのご支援をよろしくお願い申し上げます。


ただ、一部でこのことが自民党に対するネガキャン化していることについては、「見解の相違」では片付けられない意図的な歪曲を感じます。
この点についてはしっかりと事実関係の整理をしておかなければなりませんので、本ブログに書いておきたいと思います。


まず、今回の住民投票は、「大阪市を廃止し、特別区を設置することの“是非”を問うもの」であり、「賛成」か「反対」かという二者択一の選択しかできません。「賛成」でなければ、当然「反対」しかありません。


重要なのは今回の住民投票について、自民党共産党民主党公明党も「反対」していることです。
要するに“維新以外は全て”「反対」です。


つまり、いわゆる大阪都構想大阪市廃止・分割構想は“維新以外のすべて”が「反対」するほど問題のある制度であるということは断言しておきたいと思います。


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次に、今回の住民投票の賛否は「思想・信条(イデオロギー)」に直接的に関係するものではありません。もちろん、それぞれの思想・信条に基いてどのような自治の制度が良いかという理想はあるでしょう。しかしながら「大阪市を廃止・分割することの是非」を二者択一で問う今回の住民投票の賛否は思想・信条によって決まるものではなく、「市民生活への影響」という地方政治が最も重視しなければならない点から判断されるべきです。


大阪都構想」なるものが、地方自治制度上――まさしく市民生活にとってまったくメリットがないことは、これまで多くの政治家、専門家によって何度となく繰り返し主張されてきました。すでに政策的な議論は尽くされています。政策上、極めて重大な瑕疵があるからこそ、維新以外のすべての党は、思想・信条を乗り越えて大反対をしているのです。


そのような状況に対して、「思想信条の異なる勢力が結託している」と批判することは、自らの政策の欠陥を隠ぺいするための悪質な論点のすり替えです。是非とも、自民党支援者の皆様には、今一度冷静に、論ずべき点と全体の構図を俯瞰していただきたいとお願い申し上げます。


最後に、「思想・信条」を問題にするのであれば、維新の党(会)こそ確固たるイデオロギーを持たない政党であることは指摘しておかなければなりません。


維新の党(会)の橋下代表のこれまでの変節や、所属国会議員の顔ぶれを見て、ひとつの思想・信条のもとに集まった政治集団でないことは疑いようがありません。
自民党色が残っていた以前には、橋下代表自身が保守を標榜(偽装)するような時期もありましたが、次世代の党(太陽の党)と分裂したあたりから、自民党と無関係な議員も流入したこともあって方向性を見失い、結の党と合併したことで野合勢力であることが決定的となりました。


維新の党(会)は、憲法改正に協力することで官邸の支援を受けていると公然と言われています。また報道によると、先の衆院選で様々な政治的バーターによって創価学会に働きかけを行ったとされています。
これが事実ならば、要するに政局によって「思想・信条」を変える、逆に言うと自らの「思想・信条」を条件に政治的取引をする政党ということです。


維新の党の綱領には、その冒頭に「統治機構改革で『この国のかたち』を変える」とあります。
これを読む限り保守政党でないことは確かですが、革新勢力でもないようです。イデオロギーを持たない維新の党(会)から、自民党の思想・信条を批判されるいわれはありません。
また「大阪都構想」自体が、明らかに革命思想に根ざした政策であり、保守政党が支持し得る政策ではないことに、いまだ当事者ご自身が気づいてない様子ですので、申し添えておきます。

*1:公明党は「自主投票」であると誤解している方もいらっしゃいますが、はっきりと「反対」です。(公明党大阪本部さんのFacebookページをご覧ください)