野村ともあき【非公式】ブログ|前堺市議会議員

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私が「政令市の廃止(いわゆる大阪都構想)」に反対する理由

 
昨年2019年6月、私は当選直後の市議会議員の職を21日間で辞して、突如行われることになった堺市長選挙に立候補することとなった。前市長の不祥事による選挙であり、事前の調査では維新候補にトリプルスコアに近い差で負けていた。誰もが「絶対に勝てない」と口を揃えたが、私は「それでも都構想に反対する受け皿が選挙に必要だ」「このまま不戦敗を選べば、(先の大阪府知事・市長ダブル選のように)都構想は信を得たと主張される。勝てないまでも反対の民意を示しておかなければならない」と主張し、立候補を決断した。
 
当時、所属していた自民党大阪府連の会長は都構想に賛成する意向を示しており、党の方針に反する私は自民党を離党することとなった。初当選以来、お世話になった自民党を離れてでも「都構想反対」の意志を貫かなければならなかったのは、『都構想は必ず市民を不幸にする』という強い危機感があったからだ。
 
少し、根源的な話をしておきたい。都構想には金がかかる。現在公式に示されたコストでも特別区移行に241億円がかかり、年間のランニングコストは30億円かかるとされている。私はこの程度では済まないと考えているし、自民党さんの試算では年間のコスト増は毎年200億円に達するとされている。
 
金がかかればどこかの予算を削らなければならないのは、自明の理である。その予算が道路の整備なのか、公園の除草なのか、水道料金なのかは、まだ決まっていないのでわからない。しかし数百億円~数千億円もの予算を政令市廃止・特別区設置のようなメリットのない事業につぎ込めば、市民生活に大きな影響があるのは間違いない。
もし、それが生活困窮者へのセーフティネットや、子どもへの虐待や、安全安心や防災対策の予算に及ぶようなことがあれば、大げさではなく「市民の生命(いのち)」が失われるのである。それも多数の。
 
だから私は「都構想には反対」なのである。
だから私は、議員も政党も私財も全部投げうって堺市民の生活を守るための戦いに身を投じたのだ。
 
行政の役割は「住民の生命と財産を守ること」である。行政と車の両輪である政治もそれを第一に考えるべきである。
自らの身分や肩書を第一に「政策」を決めるようなことはあってはならないし、そのような政治家を私は信用しない。
 
最後に――
おかげさまで堺市長選挙におきましては、123,771票もの大きなご支持をいただきました。心から感謝申し上げます。残念ながら結果を出すことはできませんでしたが、私自身は意義のある選挙だったと思っています。
「都構想に反対する候補者が絶対に必要である」という一心のもと、すべてを投げ打っての後先を考えない立候補でしたが、多くの方々に支持が広がったことで、堺にとっての一里塚となったことは大きな意味があったと考えています。非常に限られた時間の中でしたが、自分のやるべきことはやれたと感じておりますので、今は後ろ向きな感情は一切ありません。
 
私自身の活動につきましては今はまだ未定ですが、何らかの形で政治には関わっていきたいと考えております。
捲土重来、前を向いてしっかりと活動をしていきます。

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