野村ともあき【非公式】ブログ|前堺市議会議員

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堺市議会平成31年度予算審査特別委員会において総括質疑を行いました。

エントリの内容が前後しますが、先に行われた堺市議会平成31年度予算審査特別委員会での総括質疑において下記の9項目について質問をいたしましたので報告いたします。議会会期末、議員任期末を控え多忙を極めているため内容のみの記事になりますが、事情をお汲み取りいただきご容赦ください。


■緊急防災事業債について
来年度予算において緊急防災事業債が使われている事業を確認。
緊急防災事業債については期限が2020年度(平成32年度)までと迫っているので、再来年度の予算編成でも積極的な活用を検討し、庁内各局への周知を図ることを要望。
地方にとって非常に有利な財源であるこの緊防債の期限の延長については、国に要望をしたい。

■森林環境税および森林環境譲与税について
新設される表題の税の概要について確認。堺市においては初年度約3200万円。平準化後は1億円を超え、結構な額の財源となる。
堺市の国内友好都市である種子島屋久杉)、東吉野村(吉野杉)、田辺市紀州材)は、すべてが国内でも有数の良質な木材の生産地であるので、これらの都市、地域と有効をさらに深めるためにもしっかりと連携し、木材消費地である堺市が積極的に木材を活用することが、友好都市の木材を全国にアピールすることにつながる。

SNSを活用したいじめ相談制度について
本年度行われた試行実施では1日あたり5、6件の相談があった。
今回は試行実施ということで予算化の時期の問題もあり12月と1月という実施時期となったが、今回の事業の効果を早急に分析、検証し、来年度は早期かつ効果的に事業が展開できるよう準備を要望。将来的には窓口の常時設置や利用の拡大、相談体制の改善を検討するよう要望。

■71~74歳の歯科検診無償化
堺市の歯科検診の受診率が振るわないが、本制度が受診率向上の一助となることを期待する。
しかし予算額があまりにも少ない。市政報告会などでの市民さんの反応は良好なので、さらなる拡充を提案する。
例えば、60代に対象を拡充、x5歳を再度対象に含める、対象年齢以外の受診料500円負担を無償化するなどの拡充を検討して欲しい。

■がん検診無償化
がんの早期発見、早期治療を徹底することは市民の命を守る施策です。
周知・啓発が浸透してきたためか、受診率が急拡大している。ところが事業が来年度で終了してしまう。
本事業によって積年の課題であったがん検診の受診率向上に効果があったのは間違いないので、事業を検証した上で、再来年度の事業継続を強く要望。

防災士資格取得補助
堺区の事業として「若年層向け防災士資格取得補助制度」がスタートする。
私も10年ほど前に堺市の補助で防災士の資格を取らせていただいたが、その制度はなくなってしまった。
制度の復活が堺市の地域防災力の向上に大変効果的であることは、実感から確信できるので、制度の設計を検証しながら、全市への拡大を検討するよう要望。

■空き家対策について
私のもとに寄せられる空家に関する相談が顕著に増加している。
空き家対策の柱は、『発生の抑制』、『利活用』、『除却』であり、それらを法令による規制、税制による誘導、補助金による支援、政策による活用によって後押しする必要がある。
来年度予算は調査費の計上であるが、調査結果を2021年度策定予定の計画にしっかりと反映し、実効性のある対策が実施されるよう要望する。
また計画策定にあわせて、効果的かつ具体的な事業を立案するよう提案。全国には空き家を起業家、芸術家、アーティスト、若手就農希望者などに提供し、地域特性に応じた地域活性化の担い手を育成することでまちづくりの拠点として活かすなどの先駆的な事例がある。空き家は地域の資源であるという視点で活用を模索して欲しい。

■若者の就農支援と次世代の農業担い手育成について
今般、IoT、AI、バイオ、ドローン、自動運転などの技術革新は、農業においても大きな変化をもたらしている。新技術を活用した農業は魅力と可能性ある産業として、多くの若者をひきつけ、また新たな異業種企業の参入を促している。この動きは、日本はもちろん世界の第一次産業のあり方を根本的に変えるインパクトを秘めている。
堺市大阪府下最大の農産物生産量を誇り、消費地である都市部に近く、また大阪府立大学という農業に強みを持った研究拠点もある。次世代農業に対し、恐らく国内で圧倒的な優位性を持っているのが堺市であると考える。
若い人たちが積極的に農業に参入し、我が国の農と食を支える基盤を形成するような、将来に渡る堺市農業振興ビジョンを描いて欲しい。

■ため池を活用したまちづくりについて
来年度には府の方針と連携したため池ハザードマップの作成が予算化されている。来年度以降、計画~実施という流れになると思う。
近年の異常気象や災害の頻発を考慮し、着実かつ速やかに計画と整備を進めるよう要望する。
また現代では農地が減り宅地化されるなどため池の役割が大きく変化している。同じ整備を行うなら、ため池の現代的な機能を十二分に活かした憩いの場、親水空間としての整備も併せて検討していただきたい。

以上。

竹山修身堺市長の政治資金を巡る問題を審議する議員総会が開催されました。

昨日3月12日、竹山修身堺市長の政治資金問題を集中して審議する議員総会が開催されました。すべての会派から質問が行われ総会は長時間に及びました。
世間の関心は極めて高く、メディアでも大きく報道されています。

私も自民党会派を代表して質問に立ちましたが、事前に議会に提出された報告書が直前で修正されるなど混乱が重なり、審議が尽くせたとは言い難い内容となりました。

 

そもそも、この問題は市長個人の政治団体の問題であり、行政とは直接の関係のない案件ですが(もちろん市長本人の管理監督能力や倫理的な問題はあるものの)、議会の多くの時間を割いて対応しなければならないことは、本来審議されるべき予算ほか議案審議の大きな妨げとなっており、非常に遺憾に感じております。
そのことについて私からは、竹山市長には猛省を促すとともに、堺市政を大変な混乱に陥れたことについて市民に対しお詫びするよう申し上げました。

また、根本資料となる調査報告書にも多数の修正箇所や不備が存在しており、それらの修正が質問通告時間を過ぎてから、議会を通さず直接議員に届けられるなど、二元代表制における議会の軽視と言わざるを得ない対応がなされており、強く抗議をいたしました。

 

何千項目にも及ぶ細かい数字の不備は挙げればきりがないですが、この問題が生じたのは、市長に関連する3つの政治団体の会計処理がごちゃまぜになり、会計知識のまったくない担当者が、巨額のどんぶり勘定を行っていたことが大きな原因です。

 

竹山市長は平成21年(2009)の堺市長選挙で、当時大阪府知事だった橋下徹氏の支持を受け、3期目を目指していた現職候補を破って当選しました。当時、私は議員ではありませんでしたが、現職候補の応援に入っていました。
選挙前の下馬評は圧倒的に現職有利で、竹山候補の選対組織は高校の同窓や親族が中心となった小規模なものだったのを記憶しています。
しかし、84万政令市の現職市長として2度の厳しい選挙を勝ち抜いたことで、支援組織は急速に拡大し、それに伴い事務量が膨大になったことは容易に想像がつきます。いわば、家族経営のような意識と体制で巨大企業の経理を担当するようなもので、結果、信じ難いほどの杜撰な会計処理が改善されることなく常態化したと考えられます。

 

現在公開されている政治資金収支報告書の内容は非常に粗雑なもので、今回の修正箇所は200か所に及ぶと報道されています。また、説明がなされていない不備や疑問点も散見され、多くの会派から説明を求める声が相次ぎました。

今回の議員総会では説明責任が果たされたとは到底言えず、総会後の議運では、4月30日までの我々の現任期のうちに再度、議員総会を開催することが決定されました。選挙と年度をまたいでこのような議会公務が行われるのは、極めて異例な事態です。

総会では市長の出処進退についても触れられ、市長は職務を続ける意思を示しましたが、そのためには、市長にはあらゆる機会と方法をもって全容を説明する責任があります。

堺市議会で代表質問、常任委員会質問を行いました。

堺市議会平成31年第1回定例会が開会中です。

先のエントリーでお伝えした通り、今議会は会期冒頭、竹山市長の政治資金収支報告書を巡る問題が発覚し、大荒れのスタートとなりました。
4月に統一地方選挙を控えているのはもちろん、大阪府知事・市長のダブル選も不可避な状況となりつつあり、混沌とした空気の中で会期が進んでいます。先日、常任委員会が終了し、ちょうど折返し地点を過ぎたあたりですが、すでに通常の倍ほどの長さを感じています。
まだこれから予算審査特別委員会、市長の資金問題を集中して審議する議員総会、そして恐らく市長の進退が問われる最終本会議、と議会が続きます。
正直、先が見えません。

私は、先の代表質問、常任委員会、予算審査総括質疑、議員総会、(そして多分、最終本会議も議員提出議案に対する答弁もあるかも…)と、すべての機会で登壇することとなっており、選挙前ということも重なって間違いなく2期8年の議員経験の中で最も忙しい、というか“クレイジー”な状態で日々過ごしております(笑)。
まだまだこの先いくつもの山場がありそうですが、一旦ここでこれまでに行った質問をまとめておこうと思います。
推敲する余力もなくて、とりとめのない質問項目の羅列になっておりますが、ご容赦ください。


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2月18日の、本会議大綱質疑初日に会派を代表して6項目の質問を行いました。
1問目は「市民の安全安心なくらしについて」。
昨年は6月に大阪北部地震、9月に台風21号と、大阪で大きな災害が連続して発生し、甚大な被害が生じました。これらの災害を受けて、堺市としてどのように予算編成行ったのか尋ねました。
堺市では、災害対応にあたる各地域の職員体制の見直しや高潮に対するハザードマップを作成するとのことです。私からは、確かに昨年の災害は大きな被害をもたらしたものの、今後予想されるさらに大きな災害に備え、今回の災害を得難い経験として生かすことを要望しました。

 

次に、「堺市の公共交通ビジョン」について当局の方針を確認しました。以前、ブログにも書いた通り、私は、ICT技術を基盤とした、自動運転、EV、IoT、シェアリング、高度交通システムなどの自動車関連技術の急速な進歩により、人々の「移動」に大きな変化が生じ、それらは公共交通という概念すら一変させると考えています。そのような見地から、各交通手段、機関を定義し直し、新たな公共交通体系を構築する必要性を訴えました。また、その中の重要な交通手段として、堺のアイデンティティでもある自転車を位置づけるよう提言しました。自転車を「公共交通」として捉え交通政策を立案している例はあまりないと思いますが、私はこれからの持続可能な都市経営には重要な視点であると確信しております。

 

三点目に「産業振興施策」について質問しました。
前項で質問した自動車が象徴的な例であるように、近い将来、我々の生活は数々の新たな技術革新によって一変すると言われております。第4次産業革命とも呼ばれるこの急激な変化に対応することは、特に製造業において企業の命運を左右する大きな課題です。しかし、堺市の産業は中小企業がほとんどで、その対応が進んでいるとは言えません。
そのような中、企業の先端技術導入を支援する「スマートものづくり導入支援」事業が予算計上されました。
先のIT革命がデジタルの革命だったのに対し、現在の変化はIT技術とものづくりの融合によって進んでいます。このことは、堺市の産業構造や歴史から見て非常に重要な意味を持ちます。
産業を振興し、経済を発展させ、社会を豊かにすることは、言うまでもなく公共部門としての自治体の重要な役割です。
本事業が将来的に堺市の基幹的な産業育成につながることに期待を込めました。

 

4問目は「堺市の文化振興ビジョン」について尋ねました。
いよいよ本年10月1日、堺市民芸術文化ホール「フェニーチェ堺」がグランドオープンします。計画から建設に至るまで非常に長い期間を要した本施設持つ意義、効果について、市長に確認しました。
振り返れば、今期の私の議員任期の間には、旧市民会館建て替えを巡る議論が多くありました。その議論の末に、近畿でも有数の文化と芸術の拠点となり得るホールが完成したことは、感慨もひとしおに感じます。

 

5問目の質問は「教員の働き方改革」について。
堺市の来年度予算には小学校プログラミング教育の必修化に向けた取り組みや、タブレット端末の導入、英語教育の推進など多くの新たな施策が挙げられています。これらの事業は必要かつ意義のあることだとは思いますが、学校や教職員に求められる技能や責任は増大する一方であり、現場で働く教職員の心身に重い負担をかけています。
私からは、特に授業以外の部分で負担を与えている業務に対し、専門的に対応する職員や体制の拡充を求めました。

 

最後に水道事業について取り上げました。
人口減少や高度成長期に整備した設備の老朽化、水道法の改正など、水道事業を取り巻く環境も大きく変化しています。
そのような中、大阪府下で進む水道の広域化の現状について質問しました。その答弁の中では、本年10月から水道料金の値下げを行うという具体的な方針も示していただきました。
私からは、設備の更新と事業のバランスをしっかりと見ながら、堺市が府下広域水道事業においてリーダーシップを発揮するよう要望しました。

 

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続いて、所属する総務財政常任委員会では、新たに施行される「会計年度任用職員制度」についてと、市民に向けた「わかりやすい財政」について一般質問を行いました。

 

会計年度任用職員制度とは、これまであいまいだった非正規職員や臨時雇用職員の雇用を新たに「会計年度任用職員」として規定するものです。
これによりアルバイト職員にも賞与が支給されるなど、公務員においても同一労働同一賃金が進むこととなり、個人的には社会的に割と影響が大きい政府の方針転換であると捉えています。
しかしながら、現時点では国で財源についての方針が示されておらず、実際の収入増につながるかは不透明です。
施行は32年度からですが、私からは31年度の間に政官でしっかりと財源確保の要望を行うことを確認しました。

 

次に、「わかりやすい財政」についてわざわざ質問で取り上げたのは、町中で堺市の財政について誤解した意見をよく見聞きした経験からです。
自治体運営にとって「財政」は非常に重要ですが、なかな内容が難しく、またわかりにくさゆえに政治的なプロパガンダに利用されることも多く、市民さんの誤解が大きい分野のひとつです。
詳細は別稿に譲りますが、

  • 競争だけでは社会は成り立たないため公共の役割が必要であること。
  • 「社会資本整備」「(教育、福祉を含む)労働政策」「秩序維持政策(危機管理、治安維持、安全保障)」「司法」などは、民間事業や市場取引にはなじまない公共が担うべき役割であること。
  • 「財政」と「家庭の家計」や「企業の会計」は本質的に異なること。
  • 積極的な歳出は社会を豊かにすること。
  • 納税は納税者が利益を得るためのものであること。
  • 税金によって行われる事業は1年でも早く行われたほうが良いので、財政における「借金」はした方が良い場合もあること。
  • ただし、使い道は民主的に決められる必要があるので、公選職があること。

などを確認しました。
一面的に見れば、納税は自分のお金が取られることなので嫌なものです。しかし、税金と政府がなければ我々社会は発展しません。
これらをわかりやすく広報することは、社会的な安定を図る上で大変重要な取り組みであるので、財政当局の知恵を絞るよう要望いたしました。

 

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さて、明後日7日からは、また予算審査特別委員総括質疑で質問に立ちます。
「代表質問」は予算に対し大綱的な質問を行うこととされてるのですが、特別委員会では一問一答形式で予算や事業施策の細かいところまで質問できるので、時間の制限はありますが、私の関心のある項目について詳細を質問したいと思います。

 

その後は12日に、竹山市長の政治資金問題について審議する議員総会が予定されています。
この問題は市長個人の政治資金の管理に関するもので、倫理的な問題や管理責任能力を問う必要性はあるものの、本来議会の審議にはなじまない内容です。初日本会議の緊急質問では円滑に議事が進まなかったこともあり、通常の本会議、委員会では予算審査に集中するべきという議論もあり、通常の議案審議とは別に、議員総会が開かれることになりました。
まずは8日に予定されている関連資料の提出を待ちたいと思います。

平成31年堺市議会第1回定例会が開会しました

本日、2月3月議会となる平成31年堺市議会第1回定例会が初日を迎えました。本来であれば初日本会議は「提案理由」の説明のみが行われるのが慣例ですが、先般報道された竹山修身市長の政治資金を巡る不明朗な処理に対し、自民党を含む全会派から緊急質問が出され、大変紛糾しました。指摘されている点は、故意ではないミスであったとしても批判を受けて仕方のないもので、市長には自ら「精査中」であると答弁した真相についてしっかりと説明を果たす責任があるでしょう。各会派からは、迅速な議会への報告を求める意見が出されましたので、この事案に対する市長の真摯な対応を待ちたいと思います。


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緊急質問の後には、予算をはじめとする通常の議案の説明がありました。

今年度予算には評価すべき良い施策も多くあり、しっかりと当局と議論をしたいと考えておりましたが、多くの施策とは無関係な政治的な問題で、議会の審議がおろそかになるのは大変遺憾なことです。本来、市長個人の後援組織や政治団体と、行政の施策は分けて審議するべきと感じますが、倫理的な側面から市長自身に批判的な質問が飛ぶことは避けられず、今後の議会運営もすんなりとはいかないことでしょう。

実際、本会議後の議会運営委員会も議事運営に関して意見が百出し、長時間の会議となりました。

 


堺市議会議員選挙まであと一か月という微妙な時期でもあり混迷がどこまで進むのか、正直予想がつきません。

私自身はまずは来週の代表質問を行う予定ですので、努めて冷静に議会審議に臨みたいと思います。

 


この件、続報します。

陸上自衛隊信太山駐屯地の平成30年台風21号被災状況を視察

2月2日、岡下 昌平代議士に取り計らっていただき、南大阪の自民党の有志で、信太山駐屯地の台風21号被災した建物を視察しました。

実は、信太山駐屯地は先の台風で大きな被害を受けていましたが、半年近くが経った今もほとんど復旧が進んでいません。
駐屯地の成人式に出席した西川 良平 議員からこの惨状を知らされ、国に陳情するべく岡下代議士に相談したところ、この度の視察となりました。

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実際に現場を確認すると想像以上の被害で驚きました。
被災箇所はほとんど被災した時のままの状態で、修繕も予算がないため、かろうじて材料の支給のみを受けて隊員らが自分たちで任務の合間をぬって行なっているとのことでした。信じられない話です。

災害の度に全国の被災地に派遣される身でありながら、自分たちの施設は修繕すらされず不自由な思いをしておられる隊員さんの生の声をお聞きして、本当に心が痛みました。

 

我々地方自治体は、災害派遣等で自衛隊に大変お世話になります。今後、党として、一刻も早い復旧がなされるよう、強く国に働きかけて参りたいと思います。

平成31年度堺市予算について説明を受けました。

いよいよ平成31年堺市予算を審議する今年最初の堺市議会定例会が2月12日~3月14日の会期で行われます。

 

昨日1月30日、市当局から予算案の概要について説明を受けました。まだ予算書は示されていませんが、これからしっかりと内容を読み込み、施策・事業の精査を行いたいと思います。

 

ご承知の通り、本年は「改元」があり、日本は新たな時代を迎えますが、ここ堺市におきましても、7月の百舌鳥古市古墳群世界文化遺産登録や、秋の堺市民芸術文化ホール「フェニーチェ堺」のオープンなど、新時代の幕開けを象徴するかのように多くの社会的な催事、行事が控えており、それらに関連する予算も多く計上されています。

 

我々議員にとりましても、この定例会は今任期最後の議会となりますので、しっかりと審議に臨みたいと思います。

袋小路に入った都構想議論~第19回大都市制度(特別区設置)協議会 雑感(動議全文掲載)

昨日行われた、大阪市の廃止と特別区の設置について協議する「法定協議会」が紛糾し、各種メディアでも大きく報道されています。
私は事前に法定協の委員さんから「今回の会議が山場」と聞いていたので、傍聴に行っておりました。

「山場」というのは、「いわゆる都構想」の制度設計を行うための時間的余裕がないという作業工程的な意味と、成立のために協力が不可欠な立場にある公明党さんがどのような態度をとるのかという政局的な意味の両方があります。

 

会議は朝9時30分から大阪市役所で行われました。
会議の冒頭、いきなり公明党の委員さんが「動議」を出します。
内容は「今回の会議が、会長の独断で強引に開催されたことに強く抗議し、本日は散会する」ことを提案するものでした。(動議の全文を最後に追記しました)

 

動議の中では他に

  • 「制度の協議のために必要な、庁舎整備、職員体制、財政制度などに対する回答がない」
  • 「強引な会議の開催は期限ありきで、また我々は『議員の任期内』に協定書をまとめなければならないといった合意や約束はしていない」
  • 政令市を解体するという極めて重要なテーマには、慎重かつ丁寧な議論が必要である」
  • 特別区の設置には1500億円を超える莫大な財源が必要で、住民サービスの低下は明白である」
  • 「よって真摯な議論ができる法定協の正常化を強く求める」

と述べられています。
私は発言を聞いていて至極正論であると感じました。

 

しかし、今井豊会長(維新の会選出)は動議の採決を拒否し、一気に会議は紛糾します。採決を求める公明・自民と会議の続行を求める維新の間で押し問答が続き、約40分もの間、膠着状態が続きました。

 

発言が整理されず怒号も飛び交う中でよく聞き取れませんでしたが、公明党が動議の採決を強く求めたのは、以前の法定協(恐らく第11回のことと思われる)で動議の持ち帰りを提案した公明党に対し、維新側から「動議は緊急性があるものだからすぐに採決すべき」といったやり取りがあったことが根拠であると考えられます。
対して維新側は、特に松井知事が「協議をやるといって出席したんだから協議に応じろ」と繰り返し主張し、さらに自民党からは「出席しなかったらしなかったでボイコットしたと非難されるから、出席した上で正当な規則に則って動議を出しているのだ」という趣旨の発言があったかと思います。

 

この流れを会長は議事整理できず、松井知事が一言「もう散会にしたら?」ともらした瞬間、ほとんど自暴自棄のように、一方的に「散会」を宣告しました。

 

私は、この時点で会議は終了したものと判断してますが、散会宣告後も委員は誰も席を立たず、会議が成立しているのかしていないのかよくわからない時間が続きます。議事運営のルールなどない中、議論が深まるはずもなく、結局、いったん「休憩」ということになり、休憩再開後、会長から「動議は適格性を欠くため採決せず、会議は散会する」と、これまた一方的に散会が宣告され、全委員が会議場を立つことになりました。

以上が会議の流れです。

 

当初議論する予定だった制度については、具体的なことは何も決まりませんでしたが、維新と公明党の対立は決定的となり、議会の構成から、今後「いわゆる都構想」の制度案がまとまる可能性は極めて低くなりました。

 

会議はほとんどが怒鳴り合いに近いものでしたので、どちらが正しいかは、もう見た人の感じ方でしかないとしか言いようがありません。
私自身は会長の議事整理の仕方が悪かったと感じましたが、維新支持者の方からすれば、自公側が会議を潰したと見えているであろうことも理解しています。
もうすでに何度も経験してきた対立構図です。

 

「いわゆる都構想」に関しては、これまでかれこれ9年くらい議論が続けられてきました。
その中で制度としてはほとんど破綻しているのは明らかで、数字を調整したくらいでは、欠陥を克服することは不可能です。
もう「都構想」に関しては、政策的な観点からも、政局的な影響からも、建設的な議論は不可能だと、今回の法定協を傍聴して強く感じました。
万博等のビッグイベントが控える中で、まだこのような不毛な議論を続けなければならないことに、暗澹たる思いがします。

 

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第19回法定協 動議(全文)
●1月11日の法定協議会において、私たちから、「代表者会議で協議せず、会長の独断によって一方的に法定協開催が通知されるような異常事態は、二度となきよう求めた」にもかかわらず、今回も忠告を完全に無視して、強引な手法で法定協が開催されました。
よって、私たちは断固抗議し、会長には独断で強引な手法を改めて頂き、「法定協を正常化することを求め、本日は散会する」動議を提出します。

●私たちは、これまでの協議会で庁舎整備や職員体制、財政調整制度等、協定害の根幹にかかわる重要な項目に対して指摘してきました。
にもかかわらず、いまだに、まったく回答がない。要するに、大阪市を廃止して、特別区を設置するコストが、本当はいくらになるのか確認できない状況では、とうてい委員間協議に入ることはできません。

●先日来の強引な開催は、すべて、議員の任期内に協定書を取りまとめたい、との知事の一方的な主張から推し進められています。しかし、協定書を議員の任期内にまとめなければならいとは、どこにも規定されておりません。
また、私たちは、そのような公約を掲げて、議員になったわけでもありません。
法定協は、府市両議会で廃止を議決しない限り、4月以降も存続し、議論を継
続することが可能です。よって、議員の任期内に協定書をまとめなければならないという知事の発言には、全く根拠がありません。
さらに、我々は、議員の任期内に協定害をまとめる、といった、合意や約束をしたことは一度もありません。法定協の場で、断言しておきます。

●一番大事なことは、どこまでも府民・市民の立場に立って考え、府民・市民の皆様の理解が十分に得られるよう、慎重かつ丁寧な議論を進めていくことです。
それこそが、法定協の委員である、我々の使命であり責任です。

特別区設置をするか否かの議論は、日本で初めて政令市を解体するという極めて重要なテーマであり、どれだけ慎重に議論をしても、し過ぎることはありません。

特に、特別区設置には、1,500億円を超える莫大な財源が必要です。
その捻出には、平成の大合併のような合併特例債といった国からの支援も全くないため、そのほとんどを現在の大阪市の税収から捻出しなければなりません。
今、大阪市が行っている他市にはまねのできない極めて手厚いサービスである、「敬老パス」や、高校生までの「子ども医療費助成制度」などをすべて廃止しても全く財源は足りない。その結果、今後の市民生活に大きな影響を与え、住民サービスが低下することは明白です。
●したがって、特別区になれば、住民サービスがどうなるのかを明確にする法定協議会の開催、メリットもデメリットも真摯に議論ができる「法定協議会の正常化」を強く求め、本日は散会する動議を提出します。

●会長に於かれましては、速やかに採決をお願いします。
公明党 八重樫善幸委員)以上。